強さの秘密 2
2012-09-25


さて話は油団に戻ります。何かこのごろご縁があるようで、私の両親が日本唯一となった油団の製造元にいろいろとお話を伺ったそうな。伝え聞きですがその内容も今回ちょっと入れてます。

油団とは、和紙を何枚か貼りあわせた上に荏胡麻油を塗った敷物。と、こう書いてしまうと、ありふれた、何処にでも売っているようなものと思ってしまいますが。

油団は違う。本当に違う。

高温多湿な日本の夏には、植物由来の素材でできている敷物がやっぱり合っていて、現在私の家(マンション)でも竹のマットを使っている。子ども三人大きくなったとはいえ、何かこぼしても汚れてもさっとひと拭き、千切れてきたり傷んできたら処分して買い換え、というお手軽さは魅力。

そんな一般庶民のわたくしですが、それでもあえていう。油団ほしい。高くてもほしい。マンションでメンテできるか不安ではあるが、でもでもほしいー(叫)。

油団は、い草、竹、籐、いずれの素材よりずっと優れています。この良さは、どんなに言葉を尽くしても伝わらない。それがすごくもどかしい。夏障子の入った、風のよく通る部屋に敷かれた油団のうえに、裸足で乗ってみるとわかる。
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い草や竹のようにあらく編まれた敷物の感触ももちろん心地良いけれど、触れた足の熱がすぐ隙間を埋めてしまう。すぐ発散するとはいえ、ちょっとじっとしているとすぐその下に熱はこもる。

油団の表面はつるんとしていて、ずっと座っていてもさらりとしている。油団を作る際に塗られる荏胡麻油は、幾枚も重ねた紙に染み込んでいくが、一定の場所でとどまるよう量が計算されている。これで油の染み込んだ層と、和紙の層ができる。油の層は吹く風で大方の熱を飛ばし、なお吸収された残りの熱は紙の層にとどまるため、驚異的なヒンヤリ感が長続きするわけだ。
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もうその気持ちいいことといったら。
踊りだしたくなるほどである。
(というわけでかわかみひめちゃん踊ります)
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[和紙の歴史]
[油団]

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