鏡開きもとっくに終わったというのに今更何言ってんですかと自らにツッコミたいところですが、
とにもかくにも新しい年になりました。遅まきながら(ほんとに遅い。超遅い)
昨年は大変お世話になりました。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
年末にアップするつもりだったお話を。
「川上御前」の伝説、
「川の上流からやってきたという女性が、村人に紙の漉き方を教えた」という。
こちらが川上御前の住まわれる「奥の院」のある権現山(通称”お峰”)。
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山に囲まれているため日照時間が少なく、やせた土地で暮らす人々は貧しかった。
そこに現れた「希少な技を持つ【女性】」。
作物を育てるのに向かない土地ならば、他のことをやればよい。
ここには美しい水がふんだんにあり、原料の取れる山もある。
農業で生きるしか無いと思い込んでいた村人たちにとって
それは大胆な発想の転換であったろう。
紙漉きの技がどこからどう伝わってきたのか、
はっきりしたことは知る由もないが
「川上から来た」=余所者、しかも村人たちよりはるかに裕福だとうかがえる、
明らかに作業用ではない衣服を着た女性が
(伝承に、衣を木の枝に掛けて紙漉きを教えた、という描写がある)
他にない特殊技能を自分たちに教えてくれた
そのおかげで村の生活は激変、全国に名だたる紙の生産地に。
・・・・・当時の人からしたらカルチャーショック、どころか
ほとんど魔法か奇跡か?
という認識だったろう。
現在でも、越前和紙の里に住む人々は、川上御前への感謝と尊敬の念を忘れない。
大晦日の夜、奥の院に続く暗い道を、子供からお年寄りまで沢山の人たちが
「うららの神さま」にご挨拶をするために上っていく。
どんなに寒くても、誰かが必ず上る。雨でぬかるんでも、雪が積もっても誰かが必ず道を作る。
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